マンション管理組合管理の機械式駐車場に関して、マンション管理組合やマンション管理会社の管理責任について考えてみました。 #1/3

マンション管理

マンション管理組合が所有管理している機械式駐車場(地上、地下中段、下段の三段式です)管理に付いての心配事。 最近、気象状況の変化によるゲリラ豪雨の発生が多いですが、豪雨により地下に契約駐車している車両が冠水した場合の管理組合及び管理会社損害賠償責任に付いて考えてみました。

機械式駐車場の冠水による車両損害について、管理組合や管理会社の損害賠償責任が問われる可能性について調べてみました。

1.管理組合の責任

管理組合は、共用部分や設備の維持管理において「善管注意義務」を負っています。これは、管理組合が通常期待されるレベルの注意を払って設備や共用部分を管理する義務です。ゲリラ豪雨による冠水が発生した場合、管理組合がこの義務を果たしていなかった、例えば排水設備の不備や事前の警告が不足していた場合などには、管理組合が損害賠償責任を負う可能性があります。

2.管理会社の責任

管理会社も同様に、委託された管理業務において善管注意義務を負っています。管理会社がその責任を果たしていないと判断される場合、例えば、駐車場の排水設備の点検・管理が不十分であった場合などには、管理会社にも責任が問われる可能性があります。

3.免責事項

ただし、契約書の中で「天災や不可抗力による事故」については免責される条項が設けられている場合もあります。例えば、冠水が排水設備の限界を超える豪雨によるものであり、管理組合や管理会社が合理的な対策を講じていたとすれば、責任を免れる可能性があります​。

4.条件や対応策

具体的な責任の有無は、管理規約や管理委託契約書の内容、そして事故の状況に依存します。また、管理組合や管理会社が豪雨による冠水リスクに対してどの程度の対策を講じていたかも重要です。たとえば、事前に適切な防災対策を行い、リスクを住民に通知していたかなどが問われることになります。

冠水リスクが高いと判断される場合、早急に管理規約や契約書の見直しを行い、明確な責任範囲を設定することが推奨されます。

管理組合、管理会社のゲリラ豪雨時における駐車場契約利用者(区分所有者)に対して事前に知らせる掲示文章の例文(自己の判断において豪雨時は地下の駐車場には駐車しないための警告文章の例文です。)です

ゲリラ豪雨時の冠水リスクに備え、事前に利用者(区分所有者)へ警告を行うことは、管理組合や管理会社の責任を軽減するために有効な手段です。警告文章を掲示することで、利用者にリスクを認識させ、自己判断で対応してもらうよう促すことができます。このような事前の注意喚起は、善管注意義務を果たすための適切な対応といえるでしょう。

以下は、掲示するための警告文章の例です。

地下駐車場をご利用の皆様へ【重要なお知らせ】
近年、ゲリラ豪雨の発生が増加しており、短時間で大量の雨が降ることが予測されています。これにより、地下駐車場の冠水リスクが高まる恐れがあります。
つきましては、次の点にご注意いただきますようお願いいたします。

  1. ゲリラ豪雨予測される場合や、豪雨警報が発令された場合には、地下駐車場への駐車を避けるようお願いいたします。
  2. 地上階または安全な場所への駐車を推奨いたします。
  3. 万が一、冠水による車両の損害が発生した場合、当駐車場の管理規約及び契約に基づき、自己責任にてご対応いただくこととなります。

本掲示は、皆様の安全を守るためのものであり、予防的な措置としてのご協力をお願い申し上げます。ご不明な点がございましたら、管理組合または管理会社までお問い合わせください。
                             
                           〇〇〇管理組合・xxx管理会社

事前警告文章の有効性について
このような事前警告文章の掲示は、利用者に対してリスクを周知するという観点で非常に有効です。リスクを周知し、利用者に自己判断を促すことで、万が一の際の責任範囲を明確にし、管理組合や管理会社の責任を軽減する効果が期待できます。ただし、実際に損害が発生した場合の責任については、個別のケースにより異なるため、必要に応じて専門家の助言を求めることも重要です。

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